FXの自動売買について書いてみました。
個人的には一部の仕組みを除いて「おすすめはしない」です。
そしてその一部の仕組みも外国為替(FX)においては難しいようですし、一時期うま味があった仮想通貨FXでも今では難しいのではと思います。
個人的な主観が入っているので自動売買ソフトを売っている人には怒られそうですけど、「仮想通貨FXで流行った自動売買の昔話」も含め興味がある方は寛大な心でお付き合いください。
【結論】FXの自動売買をおすすめしない理由
FXの自動売買をおすすめしない理由は「取引手法を自動化したものばかり」だからです。
(後述する仮想通貨FXで流行った自動売買の昔話は手法もクソもない「勝てる場面だけ売買する」システムです。)
そもそも一般的なFXの取引手法自体が「相場観が必要なミズモノ」だと思います。
相場に合わせてアジャストすべきものを自動化しても、長期的には勝てないんじゃないかなといった感じです。
逆にAIで相場観を学習し、トレードをアジャスト出来るようなシステムがあるなら試してみたいです。
とはいえ、そんなAIトレードシステムが個人トレーダーに回ってくる頃にはAIトレード禁止にされていそうですね(笑)
以下でFXの自動売買で長期的には勝てないといえる根拠を深ぼってみたいと思います。
・外国為替は長期で見ると大きなレンジ
・相場観を加味することができない
・急変動に対処できない
外国為替は長期で見ると大きなレンジ
FXの自動売買で長期的には勝てないと思う1つ目の理由は「外国為替は長期で見ると大きなレンジ」でシステマチックな取引には向かないと思えるからです。
それは取引対象が通貨ペアであり、通貨の価値を一定のレートに収めようという各国の思惑が働くからです。
自動売買でやりたいことは「上昇中にロングして、上昇が終わる前に利確」
「下降中にショートして、下降が終わる前に利確」が理想だとおもいます。
大きなレンジの中で、トレンドやレンジを形成する外国為替の世界で、これをルール化するのは難しそうですよね。
かといって一方的な相場はめったに見れませんよね。(2022年~2023年のドル円はロング一択でしたが・・・)
逆に「株や仮想通貨はロング目線の自動売買はあり」かなと思っています。
株や暗号資産は『緩い上昇バイアスがかかる』と思っており、大きく下がったらロング一択で空売りの選択肢を除外出来そうだなと。
なぜならステークホルダーが自分の資産価値を高めようと働きかけるので、上昇バイアスがかかりやすいからです。
相場観を加味することができない
FXの自動売買で長期的には勝てないと思う2つ目の理由は「相場観を加味することができない」からです。
AIによって相場観の醸成や取引システムへの組み込みが出来るなら話は別ですが、そんなものこちら側には回ってこないでしょう(笑)
2024年、「もうぼちぼちドル円ロングも怖いな」という感覚は自動売買にはないでしょうしね。
急変動に対処できない
為替介入やアメリカ大統領選など歴戦のプロトレーダーであれば資産を倍々ゲームで増やせるボーナスステージでしょうが、自動売買では難しいのではないでしょうか?
ネットやSNSでは某トラ〇ピで死亡報告が多数出ていましたね。
2024年夏、為替介入からのアメリカ大統領選でFX大相場が続きそうです。
こんな状況に対処できるのは相場観を養った人間様だけだと思います。
(大相場を拾えるシステムが有ったらすいません)
仮想通貨で流行った「うま味があった自動売買」について
仮想通貨で流行った「うま味があった自動売買」についての昔話です。
「一部のうま味があった自動売買」については取引手法とかじゃなく『事実に基づいて売買を行う仕組み』だったので成立していたんだと考えています。
つまり各取引所のレート遅延を使ったアービトラージです。
何年も前ですが仮想通貨が認知されたての頃に、まだ「取引所のレートがバラバラだった時代」がありました。
そこに目を付けたのが自動売買勢の「時間差を使ったアービトラージ」でした。
流れはこんな感じでした、順を追って行きます。
大手仮想通貨取引所のレートを参照している取引所があった
まず外国為替(インターバンク)との大きな違いは、仮想通貨黎明期のレートがあやふやで「他社のレートを追いかけるような、動きの遅い仮想通貨取引所」が存在しました。
つまり基準となる大手取引所を監視し、レートの遅い取引所で先回りして取引出来れば、『次にどう動くかわかるので高確率で勝てる』わけです。
これをシステム化することにより、人の手よりも早く売買が可能な自動売買システム(アービトラージ)が流行ったわけです。
イナゴやアナゴとかそんな名前でした。
仕組みは以下です。
このアービトラージの仕組みは2つのシステムでなる
仕組みを大きく分けると2つあり、「レートチェックをする監視システム」と「売買を行うシステム」。
【レートチェックをする監視システム】
事前に参照元取引所を決めておき、レート遅延してる取引所も見当をつけておく。
もしくはシステムに該当する取引所が最初から組み込まれており監視している。
大手取引所で大きな出来高を伴った動きが出ると次のステップへ
【レートチェックをする監視システム】
どこの取引所で大きな動きがあったかをシステムが知らせてくれる。
【売買を行うシステム】
まだレートの追いついていない取引所でトレーダーが売買する
もしくはレートの遅い取引所と自動売買システムをAPIで繋げ、システムが自動売買する。
自動売買のシステムは取引所や監視システムとも繋がっており24時間365日稼働している。
みたいな感じです。
今はできないの?FXではどう?
仮想通貨の現状は不明ですが、だいぶ時間がたったので取引所も対策していると思います。
またFXは当時からすでに洗練された仕組みでレートの誤差を狙うのは無理だと言われていました。
ちなみにこの手のレート遅延を使った自動売買については『レイテンシー』で検索してもらうとヒットします。
【まとめ】FXの自動売買をおすすめしない理由
本文のまとめ
FXの自動売買をおすすめしない理由について、つらつらと主観を述べました。
異論はあると思いますが(特に自動売買システム販売業者の人)、当たらずとも遠からずではないかなと思います。
結論は相場を見続けて自分で自動売買のロジックを考えられるようになるくらいでないと、システムのアジャストも難しいので勝ち続けるのは困難だと感じます。
「取引手法を自動化しただけのシステムでは勝ち続けられない」
「昔話」のアービトラージについては、ご存じの方も多いと思いますが個人が出来る範囲の事ですので現在において優位性があるかは怪しいものです。
ホントのガチ勢はHFT(ハイフリークエンシー・トレード)など、途方もないお金をかけたシステムを運用しているはずなので、その辺で売ってる個人が作った自動売買システムで勝てるとは到底思えないわけです。
ですのでシステムには過信せず、一歩一歩とマーケットを攻略していく過程を楽しみましょう。
それでは本日はこんな感じです。
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